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三山純の海外情報まとめ

“Archives of Surgery 8月号”は、158人の患者を対象とした5例の臨床実験のデータから、「ガムを噛むことは、大腸の全てあるいは一部分を摘出した後の腸機能の回復を改善させる」と報告した。5例の臨床実験において、腹部手術後にシュガーレスガムを1日に3回5~45分間噛んだ患者は、ガムを噛まなかった患者に比べて、おならが出るまで平均0.66日短く、排便までに平均1.1日短かったことが判明した。つまり、ガムを噛んだ患者は入院期間が短かい。
ロンドン・セントメリー病院の研究グループは、「ガムを噛むことは、“見せかけの食事”として、消化器系における神経を刺激するほか、消化管ホルモンの放出を促し唾液の産生や膵臓からのホルモン分泌を増大することにより、回復を促進させると考えられる。だが、入院期間を短縮させるかどうかは今回の研究からは断定できない」と語る。

フラボノイドは卵巣がん発症リスクを抑制する
(ロイター、8月22日)
イタリアの研究グループは、「フラボノール」と「イソフラボン」のフラボノイド2種類を多く摂取することで、卵巣がんから守る可能性があると報告した。”International Journal of Cancer”によると、イタリアにあるマリオ・ネグリ薬理学研究所のMaria Rossi博士ら研究グループは、上皮性卵巣がんと診断された女性1031人および急性非がん性症状で入院した女性2411人を対象に、6種類のフラボノイド摂取状況を比較した。避妊薬の使用や子供の数、がんの家族歴および他の要因を考慮して検討した結果、フラボノール摂取量が最も高かった女性は、最も低かった女性に比べて卵巣がん発症リスクが37%低かったことが判明した。さらに、イソフラボン摂取量が高い場合にも、卵巣がん発症リスクが49%抑えられたことが認められた。一方、他のフラボノイド4種類の摂取量に関しては、卵巣がん発症リスクとの関連は全く認められなかった。
Rossi博士ら研究グループは、「イソフラボンはお茶や大豆製品に存在し、エストロゲン阻害作用により卵巣がん発症リスクを低下させる。また、卵巣がんに対する果物や野菜の作用を説明するうえで明確な役割があることが示唆される」と語る。

MSGの摂取は肥満につながる
(ニューヨークタイムス、8月26日)
“Obesity 8月号”は、化学調味料グルタミン酸ソーダ(MSG)の摂取は、肥満の可能性を増加させるかもしれないと発表した。発表された研究は、中国北部および南部にある3つの村に住む男女752人を調査するものであった。彼らは、ほとんど市販の加工食品を使っていなかったが、80%の人々が料理にMSGを添加していた。BMIや喫煙、運動その他を調整して調査した結果、MSGを最も多量に摂取した人々の3分の1は、全く摂取しなかった人々に比べて約3倍太りすぎの傾向にあり、BMIが25を越えていることが判明した。平均して、MSGの摂取が1日に約1.1g増加すると、BMIは0.61上昇するリスクがあることも確認した。
論文筆頭著者である米・ノースカロライナ大学の Ka He疫学栄養助教授は、「今回の研究は、因果関係ではなく関連を確立できたと思う。MSGは有毒ではないが、問題はそれが健康に良いかどうかだ。今回の研究は、用心するべきだという警告である」と語る。
MSGは味を良くするため、結果的に食事摂取量を増加させるが、今回は総エネルギー摂取量を調整したことからMSGと食事摂取量との関連メカニズムは不明なままである。

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