森川健康堂(熊本県甲佐町)はこのほど、高濃度の水溶化プロポリスエキス粉末製剤「プロポリアミド」を開発し、OEM供給を中心に、一般食品や飲料分野も視野に入れて市場開拓を開始した。
新製品は、脂溶性のアルコール抽出プロポリスエキスを固形分濃度70%以上に濃縮した水溶化粉末製剤で、流動性が良く、耐熱性を有している。製法はアルコール抽出プロポリスとアミノ酸(アルギニン、ヒスチジンなど)を7対3の配合で混合した後、有用成分の失活が起こらないように凍結乾燥するという独自の製法を採用した。プロポリスエキスとして35%まで溶解できる。高濃度濃縮液、ドリンク、カプセル、錠剤、顆粒など各種製剤加工が可能。従来品と違い、濃縮液やドリンクなどに加工した水溶化エキスはノンアルコールなので、酒が飲めない人や未成年でも利用できる。また、通常のアルコール抽出プロポリスが脂溶性で飲料に使用する場合、水に分散させるだけで白く濁っていたが、今回の水溶化プロポリスエキスパウダーは、完全に水に溶解し、透明度の高い水溶液となる。さらにプロポリスエキス濃度として35%まで(パウダーとして50%)、水に溶解させることができ、常温で長期保存可能な高濃度水溶液としての製品化も可能だ。
これまで、アルコール抽出したプロポリスエキスはデキストリンを大量に添加し乾燥させて固形化および粉末化していたが、ベタツキがあるために濃度は最大でも25%程度が限界であった。同社が開発した水溶化プロポリスエキスパウダーは、プロポリスエキスとアミノ酸とを特殊な技術で、混合凍結乾燥することにより、プロポリスエキスの固形分濃度70%以上の粉末製剤を実現した。また、従来品は夏場など40度近い高温状態では粉末粒子が付着し合って大きな塊になってしまっていたが、水溶化プロポリスエキスパウダーは夏場の40度でも流動性のあるサラサラの状態を維持できる保存性の高い製剤である。
プロポリスのサプリメント製品は原料のベタツキが原因で、従来からソフトカプセルの採用だけであったが、水溶化プロポリスエキスパウダーは流動性が優れているためにハードカプセル(大きさ1号でエキス含量250㎎)や錠剤(300㎎サイズの錠剤でエキス含量120㎎)製品にも製品化できる。同社はチンキ式製品もOEM供給する。
サンブライト(東京都中央区)は、米国のラリラボ社からノコギリヤシ抽出物を輸入、市場開拓を進めているが、品質と安全性が評価され販売を順調に伸ばしている。
ノコギリヤシは北米東南部に広く分布しているヤシ科シュロ属の低木で、米国ではソーパルメットと呼ばれている。その果実はアメリカ先住民の間ではスタミナ源として古くから食されてきた。鎮静作用や強壮作用があることが経験的に知られているが、欧米では良性の前立腺肥大(BPH)への効用を期待した利用が増えている。
同社が輸入販売しているノコギリヤシ抽出物(85%~95%脂肪酸と植物ステロール含有)は、果実成分の酸化を抑えるのに適した超臨界炭酸ガス(CO2)抽出法により生産した高品質品で、安全性およびトレーサビリティーの確保も売りのひとつ。同社はイスラエルのライコレッド社のトマトリコピン(Lyc‐O‐Mato6%/15%)のディラーでもあり、さらにブドウレスベラトロール(Vineatrol20M)、赤ワインポリフェノール等との相乗効果も期待できるとして、製剤化により「男の健康」をイメージした各種サプリメントを提唱し、市場活動を強化する構え。先に開かれたライコレッド社主催セミナーでは、トマトリコピン摂取による前立腺がんや男性に原因のある不妊症の改善効果に関する臨床介入試験結果が報告されている。ノコギリヤシ抽出物とリコピンのコンビによる応用にも弾みがつきそうなデータである。
米国国立保健研究所(NIH:the National Institute of Health)は10月10日、バングラディッシュで行われた新しい研究によると、葉酸サプリメントが慢性的にヒ素により汚染された飲み水に暴露されている人の血中ヒ素濃度を劇的に低下した、と発表した。この研究は、NIH傘下の国立環境衛生科学研究所(NIEHS:the National Institute of Environmental Health Sciences)と危険廃棄物の浄化の責任を持つ米国政府の環境保護局(EPA:the Environmental Protection Agency)の組織であるスーパーファンド基礎研究プログラム(SBRP:Superfund Basic Research Program) の研究助成金により行われた。この研究結果は10月号の米国臨床栄養誌(the American Journal of Clinical Nutrition)に発表された。
ヒ素は有毒な元素で、地域により自然の土壌や水に存在する。ヒ素により汚染された飲み水は、開発途上国や米国の一部地域を含む最低70ヵ国において重大な公衆衛生問題になっている。慢性的なヒ素に対する暴露は、皮膚、肝臓および膀胱のがん、皮膚病、心血管病、その他の健康障害のリスクの増大に関連している。
このバングラディッシュの研究によると、米国の栄養所要量である一日当たり400マイクログラム(μg)の葉酸の摂取が血中総ヒ素濃度を14%低減した。葉酸は、葉物の野菜、柑橘類、豆類および全粒穀物に含まれているビタミンBの一種である。葉酸はビタミン・サプリメントとして摂取することもできるが、米国では小麦粉や他の強化食品に葉酸が添加さえている。葉酸不足はこの研究の行われたバングラディッシュにおいては珍しくないが、米国ではこの強化食品のために問題はない。米国のように葉酸の欠乏していない国の母集団においても、葉酸がバングラディッシュと同様に血中ヒ素濃度を低減するかどうかについては追加の試験が必要である。
NIEHSの所長代理のウィリアム・サック博士は、この研究の米国にとっての重要性について、“ヒ素は米国政府の環境浄化基金であるスーパーファンド(Superfund)の対象地点の汚染地下水で問題になっている五大無機物の一つで、対象地点の70%以上において発見されている。”と語った。
コロンビア大学の研究者でこのNIEHSの研究のリーダーであるメアリー・ギャンブル博士は、“明らかにヒ素の暴露を減らす緩和努力が最優先問題であるが、この研究は葉酸がヒ素に暴露された人に対する治療の可能性を示しており非常に重要で画期的である。追加試験は必要であるにしても、この研究はコストの安い栄養素が、ヒ素に対する暴露に関係する長期的健康問題を解決する可能性を示している。葉酸の摂取は、ヒ素を尿に排泄しやすい形にして解毒した。”と語った。
ギャンブル博士は、この解毒作用がどのように血中ヒ素濃度を低下するかを、“葉酸は体内のヒ素のメチル化(解毒)を促進し、それがより有毒な代謝物であるメチルヒ素酸(MMA:methylarsonic acid)を身体から容易に排泄されやすい形に変えることを可能にする。”と説明している。
バングラディッシュの人々を含めて世界中の1億人の人が、慢性的にヒ素に暴露されている。バングラディッシュのある地域の飲み水のヒ素濃度は、1リットル当たり10マイクログラムを上限としている世界保健機関(WHO:World Health Organization)や米国の環境保護局(EPA:Environmental Protection Agency)のガイドラインの100倍も高い。
このサプリメント研究は初期の段階においては、ヒ素の有害効果を試験するバングラディッシュのより大規模なコホート研究から選ばれた200人の葉酸の欠乏している参加者を対象にしていた。研究の参加者は一日当たり400マイクログラムの葉酸の錠剤またはプラセボを投与され、研究の始めと終わりに血液と尿のサンプルを採取された。ギャンブル博士は、“血中のヒ素量を計測する技術、特に血中の個々のヒ素の代謝産物を計測する技術は、研究が計画された時点には存在しなかった。”と指摘した。ギャンブル博士は、この分野の技術進歩はスーパーファンドの受領者であると共に、この研究の共同研究者の一人であるジョセフ・H・グラジアーノ博士の仕事を含むコロンビア大学の研究室における技術進歩によるものと認めている。
SBRPの理事長代理であるクラウディア・トンプソン博士は、“我々のファンドにより研究者がバングラディッシュで行っている仕事は、バングラディッシュの人々のQOLを向上するだけでなく、潜在的には慢性的にヒ素に暴露されている1億人以上の世界の人々を救済する可能性がある素晴らしい仕事である。”と述べた。
この研究の研究者たちは、“ヒ素の有害作用のリスクの増大は、暴露が終わった後も10年単位で残存する。この研究は、葉酸の摂取は暴露が停止された後の体内のヒ素の蓄積を低減する可能性があることを示唆している。”ことを強調した。また、彼等は“例えば、最的な投与量や投与期間の決定および健康に対する効果を含む研究等、追加の試験が必要である。”とつけ加えた。