タグ別アーカイブ: ビジネス

三山純のWEBライフ!

三山純と韓国ビジネス

福島原発の放射能汚染の影響は韓国にも影響している。9月9日から福島などの8県からの水産物輸入を全面禁止にした。これは韓国の消費者による水産物買い控えが背景にある。第一回韓国食品化学市場視察団が見学した韓国乳業大手の毎日乳業でも「日本国内では福島原発の放射能漏れの影響ある食品について不安はないのか」という質問があった。日本では厳しい放射能検査があり、それにクリアした食品が市場で販売されていると説明した。このように韓国では福島原発の放射能問題は連日報道され、消費者の関心も高い。このような状況の中で、第一回韓国食品化学市場視察団は、韓国の食品原料・健康素材に特化した展示会「FIKorea」と、益山市(iksan)で建設予定の国家事業「フードポリス」、韓国乳業大手の毎日乳業を見学した。そこで今回の韓国視察ツアーを振り返ってみた。

韓国食品産業協会が主催する展示会「FI Korea」は、出展社数が昨年よりも1大幅拡大。来場は6100人を記録し、海外からは36カ国180人が参加し、昨年より大幅に拡大した。主な展示はシーズニングや甘味料等の食品添加物関連のほか、健康機能成分も多数展示され、全体的にナチュラル志向の雰囲気であった。また、低ナトリウム食品の開発も目立った。特にキムチ関連食品では塩添加が多いことから、塩の一部を他の調味料で代替して塩分含有量を減少しているという。日本の減塩傾向と似たものを感じた。また、健康食品原料の専門商社では、これまで日本から韓国に輸出されていた健康食品原料は半減していると聞いた。これも放射能関連の大きな影響である。展示内容では既報(本紙9月11日号)のように日本からの主な出展は、林原(岡山市)、昭和化工(大阪市)、クロレラの八重山殖産(沖縄県石垣市)、日本バイオコン(名古屋市)などである。他にもあるが韓国内の代理店が取扱い素材として日本企業の素材原料を出展していた。
一方、韓国全羅北道益山市には、国家食品クラスター支援センター(略称:フードポリス)がある。韓国フードポリスは、韓国農水産食品部と全羅北道の益山市が、益山地域一帯に食品産業振興の中核インフラとして形成するR&D中心・輸出志向型の食品産業団地である。現在、第2段階計画(2012~2015年)として、食品専門研究生産団地(フードサイエンスパーク)を形成(232万㎡)する予定だ。今のところ、世界の食品企業約70社と投資MOU締結を終えており、現在もいくつかの企業と交渉中である。日本では食品CROのTTC(東京都渋谷区)が締結しているが、日本はやや出遅れているという。また、近い将来、韓国と中国が自由貿易協定を結ぶ交渉を進めており、実現すれば、食品分野はこの益山市にあるフードポリスがアジア輸出入の中心となる。
毎日乳業は韓国の三大乳業メーカーの一つ。牛乳のほかにも沢山の種類の飲料を生産している。毎日乳業については後日詳報する予定である。

三山純のWEBライフ!

EU健食ビジネスと三山純

世界が注目する「EU(欧州連合)のヘルスクレームの新規則(Regulation(EU)No432/2012)」(食品における栄養および健康強調表示に関する規制)が5月25日付けで、EC(欧州委員会)から公布された。これはEFSA(欧州食品安全機関)の科学委員会が欧州各国から申請していた4637件を長い期間かけて有効性・安全性評価を実施し、今回ヘルスクレームの件数として68品目222件(3面に全品目とヘルスクレーム掲載)を認め公布したもの。承認されたのは第13条第一項に定められた一般的な健康強調表示である。疾病リスク低減強調表示や、子供の成長・発達に関する強調表示関連については今回発表されてない。
全申請4637件のうち、今回は68品目222件が公布されたが、これまでにEFSAがヘルスクレームを認めた件数は615件もあり、残りのヘルスクレームは今後整理して公布されるものと思われる。申請された4637件のうち、これまでヘルスクレームが認められなかった件数は1600件で、この1600件については、今年12月14日以降は当該ヘルスクレームを付して販売することが禁止される。また、現時点で2233件は評価保留中になっている。2233件のうち、2078件は植物成分のヘルスクレーム。ほかにECによる取扱い検討中が64件あり、これについては本年末までに取扱いを決定する。さらにEFSAにて評価継続中が91品目もあり、これについてはプロバイオティクス等の微生物成分が主体のもので、今年7月末頃に評価結果公表の見通しとなっている。
今回のリストはほとんどが、ビタミン、ミネラルで占められ、それ以外の機能性成分(植物を除く)のヘルスクレームの95%が却下されている。
公表された222表示には、大麦ファイバーやベタイン、キトサン、DHA、オリーブ油ポリフェノールなどの機能性成分がリスト化されているが、ビタミン関連が87、ミネラル関連が67にもなり大勢を占めている。例えば、ビオチンを例にとると、①正常なエネルギーを生み出す②正常に神経系に機能する③正常な代謝④心を正常に保つ⑤髪の毛の維持などの表示が許可されている。注目されている機能成分とヘルスクレームは、メラトニン(時差ぼけ症状の緩和、睡眠に入るまでの時間の短縮)、紅麹エキス(血中コレステロールの正常化)、オリーブ油ポリフェノール(酸化ストレスからの血中脂質保護)、コリン(ホモシステイン代謝の正常化、脂質代謝の正常化、肝機能の維持)、ベタイン(ホモシステイン代謝の正常化)などがあり、興味深いところである。またミネラル成分のひとつ、亜鉛は18件のヘルスクレームが認められている。
一方、却下された成分は、抗酸化物質で170成分、プロバイオティクスで262種類が菌および酵母の特定が不十分、53件が科学的根拠不十分あるいは非特異的な強調表示であった。また、欧米市場に上市されているプルーン、クランベリー、ルテイン、食物繊維の一部なども却下された。重要な実証化課題はHFSA機関誌に今後公表する予定である。

cropped-person-915604_1920.jpg

三山純と葉酸ビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

妊婦9割が葉酸不足
研究会やキャンペーン始まる

 日本は、ビタミンB群の一種である“葉酸”の摂取率が先進国の中では最も低く、大きな問題となっている。特に妊婦には切実な問題に発展する。葉酸が妊婦に不足すると、胎児の先天性異常である神経管閉鎖障害(発症箇所により二分脊椎症や水頭症ともいう)になってしまう確率が高くなる。二分脊椎症は2003年の調べで出産児1万人当り6・2人の発症となり、その後も増加傾向を辿っている。日本は先進国の中で発症率が高く、葉酸の摂取率が最も良くない状態だといわれている。それは、妊婦の9割超が葉酸不足であるからである。妊婦が摂取する葉酸量が充足すれば、約7割は発症リスクが下げられるという。発症リスクを下げるには1日に葉酸を400μg以上摂取することが望ましいとされているが、葉酸不足のリスクに対する認知度が低いことと、葉酸高含有食品が見当たらないことから、葉酸を充分に摂取できていないのが現状である。

三山純がさらに考えてみた

 そこで、ファーマフーズ(京都市西京区)は、日本人が好む食材であり、毎日摂取できる“卵”に着目。独自のバイオ飼料を給餌して飼育した鶏から得られる「葉酸たまご」を開発し、順調に販売している。葉酸たまごは、卵1個当りの葉酸含有量が約70μgで、通常の卵の約3倍量も含まれている。葉酸の定量化にも成功しており、栄養機能食品としての表示が認められている。葉酸たまごは加工時の熱にも安定で、今年の日本栄養・食糧学会では、葉酸たまごが葉酸の供給源として有用であることについて学術成果発表を行っている。すでにナチュラルローソンでは葉酸たまごを使用して温泉卵やケーキなど関連商品を提供している。阪急百貨店では葉酸たまごそのものを、他にも西武百貨店、京阪百貨店など様々な百貨店やスーパーで展開している。
 葉酸については、東京慈恵会医科大学脳神経外科の大井静雄教授が発起人となって、「葉酸と母子の健康を考える会」が発足している。4月3日を葉酸の日に決定し、今後葉酸に関する有益な情報の提供や啓発活動を実施していく。例えば、4月30日を葉酸たまごの日として、ジャガー横田夫妻とともに「葉酸たまごでよいお産」キャンペーンも行っている。

三山純がさらに考えてみた

9月7日には、京都大学ローム記念館において「第4回たまご研究会」が開催される。テーマは「たまごで母子の健康を守る」。この講演の中では、「妊娠・出産リスク低減に果たす葉酸の役割と可能性」(大井静雄東京慈恵会医科大学脳神経外科教授)、「葉酸たまごの市場認知に向けた展開事例」(山口英樹ナチュラルローソン商品本部部長)などが行われ、大きな注目を集めている。
ところで、海外では1992年頃から、米国、英国、カナダ、ノルウェーなどで1日400μgの葉酸の摂取が推奨され、葉酸の認知度がとても高く、特に米国では1998年からシリアル製品等への葉酸強化を義務化したことで、神経管閉鎖障害の疾病リスク低減に大きく貢献している。

三山純のWEBライフ!

微細藻類ビジネスと三山純

どうも三山純です。

三山純が考える

微細藻類ビジネス

 最近、多価不飽和脂肪酸であるDHA/EPAが業界で注目されている。昨年当たりから、クリルオイル(オキアミエキス=リン脂質結合型DHA/EPAオイル)が市場に投入され、さらに藻由来のDHA/EPAオイルも市場を賑わしており、DHA/EPA素材市場がにわかに活性化し市場拡大が期待されている。
このところ藻由来ではロンザジャパンが本格的な市場開拓を始めている。同社は、「DHAid」(微細藻類由来DHA)を上市。同品はDHA含量が総脂肪酸中40%以上(Functional Nutrition Oil)とDHA含量が総脂肪酸中43%以上(Clear Liquid透明タイプ)の2種類のオイルタイプと、粉末タイプ「DHAidドライ」(DHA10%以上)を準備した。ソフトカプセルタイプ(1カプセルに200㎎含有)もあり、それぞれEPAは含まれてない。微細藻類由来は一般食品や粉ミルク分野でも応用できる。また、魚由来でないものを求めているユーザーやベジタリアンの人々などにも提案すべく市場開拓を進めている。使用している微細藻類は、ウルケニア(Ulkenia sp.)由来。魚由来と比較して、におい・味の面で優れ、戻り臭が少ないのが特徴。アプリケーションの広さや高い品質&安全性などが大きな特徴である。ISO9001&HACCP管理が施された高い品質、アレルゲンフリー、コンタミフリーといった高い安全性、さらに豊富なエビデンスを兼ね備えるDHAとして、使いやすさをPRしていく。すでに米国では大手メーカーが利用しており、実績を積み上げている。

三山純がさらに考えてみた

微細藻類由来ではDSMニュートリションジャパンが展開しているほか、最近では日建総本社が台湾の味元と共同開発した微細藻類由来を投入しようとしており、市場は賑やかになってきた。一方、南極オキアミ抽出オイル(クリルオイル)も、日本水産、アーカーバイオマリン社、オリンピック社(甲陽ケミカル、アルファリンク)のクリルオイル大手3社が本格的な市場開拓を進めており、DHA/EPA市場は以前のブーム以来の活況を呈しつつある。米国やオーストラリアでは、サプリメントや一般飲料でも流通し多くの利用者がおり、一大市場を形成している。これまで、日本のDHA/EPA市場が拡大しないのは、魚の味や匂いの影響といわれ、味に敏感な日本市場では拡大しないものと予測されてきた。しかし、ロンザジャパンの微細藻類由来のように味や匂いが改善されたDHA(EPA)素材が出てきており、市場の拡大が期待される。
期待される理由はもう一つある。今年春に、消費者庁の食品機能評価モデル事業が発表された。11成分の評価の中では、総合評価でAを獲得したのは、オメガ3(DHA/EPA)素材の心血管疾患リスク低減や血中中性脂肪低下作用、関節リウマチ緩和作用の3つの機能のみであった。評価の手法については様々な意見があるところだが、DHA/EPA素材の評価は盤石なものがある。消費者にもっとわかりやすく機能評価の部分が説明できれば、これが追い風となり、一挙に市場拡大がなされるだろう。

三山純のWEBライフ!

三山純と食薬ビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

食薬ビジネスについて

 厚労省医薬食品局は、局長通知「医薬品の範囲に関する基準の一部改正について」を各都道府県知事等に通達、いわゆる食薬区分を改正した。今回の改正で、非医薬品(医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質リスト)に入った成分は、植物由来ではシャタバリ(地下部)、トウキ(オニノダケ/カラトウキ)(葉)、フーディア・ゴードニー(地上部)、ボタンボウフウ(根、根茎)の4種類と、化学物質等では、オロト酸(フリー体、カリウム塩、マグネシウム塩に限る)の1種類の合計5種類である。一方、これまで、非医薬品であった植物由来等のウィザニア(アシュワガンダ)(全草)は専ら医薬品として使用される成分本質リストに追加され、非医薬品リストから削除された。また、新たにシッサス・クアドラングラリス(ヒスイカク)(全草)、化学物質等のマグノフロリンも非医薬品となった。
 まず、非医薬品になったフーディア・ゴードニーは、すでに健康食品として販売されている。食欲抑制成分が知られており、ダイエット素材として使用されてきた。以前は、専ら医薬品に入っていたことから、業界でもフーディア・ゴードニーの取扱いを止めるかどうか検討する企業もあった。一時期米国ではダイエットサプリメントに必ず配合され市場を席巻していたこともあり、今後の日本のダイエット食品市場でも大きな期待が持てる健康成分である。
 ボタンボウフウは、今回の根、根茎に、以前から非医薬品になっている茎、葉などを加えて、4つの部位が非医薬品リストに入った。沖縄ではボタンボウフウのことを長命草とも呼び、ビタミンAやE、B群、食物繊維等が豊富であるため、ケール等とともにその葉が青汁に配合されたり、サプリメントとしても売られている。根と根茎が利用されることで健康志向食品に向けて開発の広がりが予想されている。大腸がん抑制作用等が琉球大学で研究されているほか、動脈硬化予防作用、血管拡張作用、排尿障害改善作用等が報告されている。シャタバリも広く販売されているアーユルヴェーダ系のハーブ素材で、妊婦など女性向け強壮剤のような働きを期待して利用されている。化学物質等に入ったオロト酸は海外で売られている。1~2年後に市場に登場するものと思われ、楽しみな素材である。
 一方、ウィザニア(アシュワガンダ)は、アーユルヴェーダ素材として知られているが、非医薬品リストに移ったため、健康食品としては使用できなくなった。改正案で公示され、今回公表されたパブコメでは、ウィザニア(アシュワガンダ)に対する意見が多くあり、問題成分である「ウィザフェリンA」は科学的に毒性は高くないという主張が目立った。厚労省の見解は「毒性の強いwithaferinAは根、葉だけでなく、他の部位にも含まれる成分であることから、“判断基準”に基づき、全草を“専ら医薬品として使用される成分本質”と判断」したと述べている。パブコメにはシャタバリやフーディア・ゴードニーに対することも書かれており、こちらは救済されたことになる。

三山純のWEBライフ!

三山純とイヌリン、ビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

イヌリンの市場と注目のアガベ由来

食物繊維市場は、全体的にやや上向き傾向で推移しており、なかでもイヌリン市場は順調に進んでいる。国内のイヌリン市場規模は年間約1300~1400tと推定されている。世界最大手のイヌリンメーカーであるベルギーのベネオ・オラフティ社の国内総代理店である日本シイベルヘグナー(東京都港区)をはじめ、酵素法で製造しているフジ日本精糖(東京都中央区)、ベルギーのコスクラ社製品をサンエイ糖化(愛知県知多市)が輸入販売を本格化しているほか、最近ではアガベ・イヌリンをキタマ(大阪府守口市)が上市し大きな注目を集めている。
 イヌリンは果糖ユニットがβ―1,2結合で直鎖状に連なった多糖類の一種で、難消化性の食物繊維である。広く自然界に分布し、身近なところではタマネギ、ニンニク、アスパラガス、ゴボウ、ニラ、キクイモなど含有しており、とりわけチコリの根には大量に含まれている。ヨーロッパではその根を原料にイヌリンが工業生産され、また、イヌリンを酵素で部分加水分解したチコリオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)も流通している。イヌリンおよびチコリオリゴ糖は摂取された場合、腸内の消化酵素で消化されずほとんどが大腸に達する。ここでビフィズス菌など腸内有用菌の代謝と活性を増強し、腸内環境を改善することが報告されている。
イヌリンの用途は、国内ではヨーグルトなどの乳製品、チョコレートなどの菓子類、豆乳などに採用されており、特にヨーグルト分野に圧倒的な需要がある。それは食物繊維という栄養機能を付与すると同時に、低脂肪による失われる脂肪感(ボディ感)を補うことができるからである。乳製品関連食品には最適な食物繊維である。

三山純がさらに考えてみた

 ところで最近、同じイヌリンでも、「アガベ」から抽出したアガベ・イヌリンが面白い。キタマがアガベ(大阪府和泉市)とライセンス契約を結び、「アガベ・イヌリン」の販売を開始したもの。アガベは乾性気候であるメキシコに原生するアロエに類似した多肉質の植物であり、国内ではリュウゼツランとして知られている。現在、アガベはメキシコの砂漠で安定的に栽培生産されている。このアガベから抽出されたイヌリンは、他のイヌリンと比べて、含有率が25~30%と高く、水溶性に優れているという特長を有している。アガベはメキシコ特有の酒テキーラの原料となるが、その不溶部の搾り汁には30%近いイヌリンが含まれ、アガベ社はこれを利用して生産している。アガベ・イヌリンは分岐鎖構造をもつため、重合度はチコリイヌリン以上で、高い溶解性がある。また、難消化性とプレバイオティクスの働きを有し、カルシウム吸収促進効果も確認している。大阪市立大のヒト試験では、1日9gの摂取でカルシウムが統計的な有意差をもって増加していることを報告している。
アガベがイヌリン市場を活性化し、さらに食物繊維市場を成長させてほしい。食物繊維はまだ不足が叫ばれており、消費者に向けてもっと啓蒙啓発していかなければならない。

三山純のWEBライフ!

広告のガイドラインを三山純がビジネスで考える

どうも三山純です。

三山純が考える

虚偽誇大広告のガイドラインをめぐって

消費者委員会の「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」が開催され、大きな注目を集めている。次は、健康食品表示の検討会論点整理で謳われていたトクホの広告ガイドラインについて何らかの報告が行われるという。トクホの表示や広告、あるいは健康食品の表示および広告についてはキチンとした基準やガイドラインがあってしかるべきであるが、これまでなかった。しかし、虚偽・誇大広告の監視体制は強化されている。
消費者庁がインターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視業務結果を発表した。それによると、平成22年9月から11月の期間で、85業者128商品の表示について、健康増進法第32条の2(虚偽誇大広告の禁止、健康の保持増進の効果等に関する虚偽または誇大な広告の禁止)に違反するおそれのある文言があったことから、これらの事業者に対し、表示の適正化を求めるとともに、ショッピングモール運営事業者への協力も要請した。監視した商品区分は野菜の加工品や菓子類、豆類の調製品、コーヒー調整品などにいわゆる健康食品(カプセル・顆粒状・錠剤など)などで痩身効果や美肌、栄養価が高いなどが強調されているという。

前回のインターネット調査は昨年6月から8月の期間に実施され、175業者302商品が取り上げられ、その後消費者庁の直接の指導で302商品すべてが改善されたという。前々回は平成21年度健康食品インターネット広告実態調査として平成22年3月に、547件と数字のみ発表された。こうしてみると547件から302件、そして128件と少なくなっており、監視指導強化が功を奏しているのかもしれない。昨年末にもいくつかのマスコミにより、誇大広告の違反未遂業者はいきなり業者名発表まで実施するというような誤解を与えかねない報道があった。健康増進法では、虚偽・誇大広告については改善指導を行い、それでも従わずに悪質な場合は勧告し、業者名を公表することになっている。勧告の場合は証明責任が国側にあり、虚偽・誇大広告の取締りが厚労省にあった以前は一度も勧告に至ったことはない。ただ、今後は勧告できるような体制の強化も消費者庁では決めている。

三山純がさらに考えてみた

ここで注目したいのは、厚生労働省東北厚生局食品衛生課が『健康食品の虚偽誇大広告にだまされない方法』をホームページに掲載していたことがある。これを見ると、①“即効性”“万能”“最高のダイエット食品”など過度の期待を思わせる書き方は疑いましょう②“癌が治った”などの治療、治癒に関する言及として、効果を信じてはいけません③“天然”“食品だから安全”“まったく副作用がない”など必ずしも安全とは言えません④“新しい科学的進歩”“奇跡的な治療法”“秘密の成分”など認められてない医薬品を含んでいる可能性がありますなど9項目にわたり消費者への注意喚起が行われ、逆に業者への規制とも受け取られる。規制については、消費者庁では健康食品の虚偽・誇大広告のガイドラインも作成することになっており、その動きを加速することが消費者の選択および業界の発展に寄与することにつながる。

三山純のWEBライフ!

三山純が考える規制改革実施計画とビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

規制改革実施計画とビジネス

内閣は規制改革実施計画について閣議決定を行った。答申既報のように「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」では6項目が盛り込まれている。その中心となる「いわゆる健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む加工食品および農林水産物の機能性表示の容認」は平成25年度検討・平成26年度結論・措置(加工食品、農林水産物とも)となっており、所管官庁(消費者庁、厚労省、農水省)も明記された。現在、機能表示が認められている特定保健用食品および栄養機能食品以外のいわゆる健康食品や機能性成分を含む加工食品、農産物について機能性表示を容認するよう求めている。また、米国のように国の責任ではなく企業等が自らその科学的根拠を評価し、企業の責任で実施する米国ダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にして、一定のルール作りを示唆し、民間の責任でできる表示制度体制を構築する。第三者認証機関という提案も、規制改革会議の健康・医療ワーキンググループで審議されており、この考え方が基本になると考えられる。それは、新たな機能性表示制度として「健康機能表示食品」を創設するという提案。国のガイドラインのもとで審査する第三者認定機関を設置、機能性素材をリスト化し、その中から企業が申請して機能性表示を可能とするもので、現行の健康増進法や薬事法に抵触せずに実行できる。要するに保健機能食品制度の適用範囲を拡大し、特定保健用食品(個別評価型)と栄養機能食品(規格基準型)のそれぞれの制度と並行するイメージで、規格基準と個別評価を合わせた併用型として、「健康機能表示食品」を創設し、ビタミン・ミネラル以外の健康機能を有する食品成分・素材について新たな適用範囲を設けて、第三者認証機関による制度を創設するもの。業界団体が団結して認証機構のような組織を新たに設置してもいいだろう。

三山純がさらに考えてみた

また、現実的に考えてみると、健康食品を含めた加工食品と、農産物の機能性表示は別々に検討した方がスムーズにいく。農産物の表示制度は消費者庁と農水省のみで検討会を組織し審議することが可能である。以前から生鮮野菜にβ―カロテン等の栄養成分やカロテノイド等の抗酸化数値を表示することが望まれており、通常の生鮮野菜であればその中で分析した結果をあるルールのもと表示することは十分に消費者の選択に資することができ、またそれを海外に輸出する手段も考えられる。
規制改革実施計画には残りの5項目、「特定保健用食品制度におけるサプリメント等の形状規制の廃止の周知徹底」「食品表示に関する指導上、無承認無許可医薬品の指導取締りの対象としない明らかに食品と認識される物の範囲の周知徹底」「消費者にわかりやすい表示への見直し」「特定保健用食品の許可申請手続きの合理化・迅速化」「栄養機能食品の対象拡大」がある。トクホの許可申請手続きの合理化迅速化は、日健栄協による審査基準の透明化の検討も行われており、トクホの保健用途拡充も今後楽しみである。

三山純のWEBライフ!

三山純とトクホビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

トクホをめぐる議論は以前から膨大な時間を費やしてきているにもかかわらず、この数年は何も決定されずに今日に至っている。2年程前にトクホの再審査手続きについて話し合う消費者委員会の「特定保健用食品の表示許可制度専門調査会」(山田和彦座長)において議論が進んでいた際に、トクホの透明化について、宗林さおり委員(当時:国民生活センター)から、統一した試験デザインが必要で審査基準の明確化を進めてほしいという意見を出された。試験デザインの透明化については、検討会の以前から企業側の要望でもあり、第三者から見てもどのように許可されたかが透明化できることから、強い要望が業界に存在していた。そしてようやく、9月30日に今年度末までにトクホの透明化を含む合理化・迅速化の工程表が公表された。
 トクホの透明化合理化迅速化については、規制改革実施計画(6月14日に閣議決定)に盛り込まれている「特定保健用食品の許可申請手続きの合理化、迅速化」(平成25年度上半期工程表策定・公表、平成25年度検討・結論、平成26年度措置)に明記してある。9月30日の工程表には、これまで争点となっていた試験デザインの透明化(被験者数、試験期間、評価対象、解析方法等)について改正通知案を今秋に作成発表し、消費者委員会でも意見を聴取して今年度末までに改正通知を通達することと明記した。

三山純がさらに考えてみた

 トクホの審査基準については元々、消費者庁が特定保健用食品制度の透明性を審議する検討会事業を、日本健康・栄養食品協会(東京都新宿区)は委託した。日健栄協では昨年8月31日に「第1回特定保健用食品審査基準検討会」を発足させ半年間審議を重ね、今年3月22日には消費者庁に報告を行っていた。この特定保健用食品審査基準検討会は2010年8月に報告された消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」で指摘された論点整理を踏まえて開催されたもので、足掛け5年を掛けてようやくここまでたどり着いたわけである(一部既報)。
 発表された工程表の内容の中には、“許可を取得した品目に対する指摘事項および申請者の要望”として、「許可を取得した品目に対し、審査中に申請者が指摘を受けた事項を確認したところ、(中略)有効性または安全性に関する追加データ(ヒト試験を含む)の提出の要求、データの解析及び考察を再度実施すること等検討に長期間を要する指摘事項があった。また、特定保健用食品の表示許可を取得している事業者に対し要望等についてアンケート調査を行ったところ、有効性又は安全性試験に対する意見として、ヒト試験における被験者数、試験期間及び評価対象項目の設定、解析方法等試験デザインの明確化を求める要望が多く寄せられた」とした。これに対し、改善点として、ヒト試験のデザインをより明確に提示することにより、申請時に適切な有効性・安全性の資料をそろえることが可能になること、また申請後に試験の追加等の指摘が減少し、申請者の費用負担の軽減や審査期間の短縮が図られるとした。閣議決定ではトクホの形状規制の廃止もうたっていることから、より速い実現が望まれる。

三山純のWEBライフ!

三山純とスポーツ、ビジネス

どうも三山純です。

三山純が考える

志向が高くなりスポーツ人口が増加する中で、スポーツサプリに利用される機能油脂が注目されている。その機能油脂の代表格がCLA(共役リノール酸)である。最近、CLAの生理機能に関する研究について11年に渡り発表会やシンポなどを行ってきた「CLA懇話会」が「機能油脂懇話会」と発展的に改称し、さらに学会活動を継続することになった。今回新しい発足を記念して、第1回機能油脂懇話会(旧CLA懇話会)が10月2日に神奈川県葉山町の湘南国際村センターにおいて大学や関連企業の研究者らが大勢参加し開催された。

三山純がさらに考えてみた


同懇話会は「シンポジウム:機能性油脂、今後の展望」と「一般講演会」で構成された。シンポではまず、東京工科大学の遠藤泰志氏が「非メチレン系脂肪酸の健康機能」と題して、徳川家康が好んで食べたカヤの実の油の天麩羅を話し、カヤ油の摂取によるシアドン酸の抗肥満作用について講演した。続いて、長崎県立大学シーボルト校の古場一哲氏が「共役リノレン酸含有油脂の脂質代謝調節機能」とうテーマで、ニガウリやザクロなど植物種子中の共役リノレン酸について脂質代謝調節機能について動物実験したところ、ザクロの油に腎臓周辺脂肪組織重量の有意な低下があったこと等を報告した。次に日清オイリオグループ中央研究所の野坂直久氏は「健常な過体重者、肥満者におけるCLA摂取の有用性」と題して、日本人を対象に1日1・8gのCLAを7週間摂取した結果、有意な体重の減少と腹囲の低下傾向を確認したことを説明した(本紙今年9月29日号既報)。他にも「共役リノール酸の制がん機能」(宮崎大学農学部、山崎正夫氏)や「褐藻由来フコキサントンの抗肥満、抗糖尿病効果とその分子機構」(北海道大学大学院、細川雅史氏)の講演と、佐賀大学農学部などの3題の一般講演が行われた。
機能油脂懇話会の菅野道廣代表世話人は会の冒頭、会を改称に至った経緯を説明、「本懇話会が新しい名称のもとに一段と発展し」ていくことの期待を述べた。