世界が注目する「EU(欧州連合)のヘルスクレームの新規則(Regulation(EU)No432/2012)」(食品における栄養および健康強調表示に関する規制)が5月25日付けで、EC(欧州委員会)から公布された。これはEFSA(欧州食品安全機関)の科学委員会が欧州各国から申請していた4637件を長い期間かけて有効性・安全性評価を実施し、今回ヘルスクレームの件数として68品目222件(3面に全品目とヘルスクレーム掲載)を認め公布したもの。承認されたのは第13条第一項に定められた一般的な健康強調表示である。疾病リスク低減強調表示や、子供の成長・発達に関する強調表示関連については今回発表されてない。
全申請4637件のうち、今回は68品目222件が公布されたが、これまでにEFSAがヘルスクレームを認めた件数は615件もあり、残りのヘルスクレームは今後整理して公布されるものと思われる。申請された4637件のうち、これまでヘルスクレームが認められなかった件数は1600件で、この1600件については、今年12月14日以降は当該ヘルスクレームを付して販売することが禁止される。また、現時点で2233件は評価保留中になっている。2233件のうち、2078件は植物成分のヘルスクレーム。ほかにECによる取扱い検討中が64件あり、これについては本年末までに取扱いを決定する。さらにEFSAにて評価継続中が91品目もあり、これについてはプロバイオティクス等の微生物成分が主体のもので、今年7月末頃に評価結果公表の見通しとなっている。
今回のリストはほとんどが、ビタミン、ミネラルで占められ、それ以外の機能性成分(植物を除く)のヘルスクレームの95%が却下されている。
公表された222表示には、大麦ファイバーやベタイン、キトサン、DHA、オリーブ油ポリフェノールなどの機能性成分がリスト化されているが、ビタミン関連が87、ミネラル関連が67にもなり大勢を占めている。例えば、ビオチンを例にとると、①正常なエネルギーを生み出す②正常に神経系に機能する③正常な代謝④心を正常に保つ⑤髪の毛の維持などの表示が許可されている。注目されている機能成分とヘルスクレームは、メラトニン(時差ぼけ症状の緩和、睡眠に入るまでの時間の短縮)、紅麹エキス(血中コレステロールの正常化)、オリーブ油ポリフェノール(酸化ストレスからの血中脂質保護)、コリン(ホモシステイン代謝の正常化、脂質代謝の正常化、肝機能の維持)、ベタイン(ホモシステイン代謝の正常化)などがあり、興味深いところである。またミネラル成分のひとつ、亜鉛は18件のヘルスクレームが認められている。
一方、却下された成分は、抗酸化物質で170成分、プロバイオティクスで262種類が菌および酵母の特定が不十分、53件が科学的根拠不十分あるいは非特異的な強調表示であった。また、欧米市場に上市されているプルーン、クランベリー、ルテイン、食物繊維の一部なども却下された。重要な実証化課題はHFSA機関誌に今後公表する予定である。